一方で、小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味しんぼ」の問題は残念であり、腹立たしい。4月28日発売号で
主人公らが第一原発を訪れた後に鼻血を出す場面が描かれ、元双葉町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と発言している。原発事故と鼻血にあたかも
関係があるかのような印象を与える。双葉町は「大勢いる事実はない」と元町長の言葉を否定、小学館に抗議文を送った。
5月12日発売号では元町長が鼻血の原因を「被ばくしたからですよ」とし、福島大准教授は「除染をしても汚染は取れない」と話している。
個人的見解を取り上げたことで、本県の実情が誤って伝わる恐れが生じている。復興への努力を台無しにしかねない。風評という暗黒の海に投げ出され、光の見
える海面近くまで懸命に浮き上がってきたところを金づちでたたかれたようなものだ。12日に県が科学的な根拠を示して反証し、偏らない客観的な事実を基に
した表現とするよう強く申し入れたのは当然だ。
そもそも作品の意図が分からない。編集部は議論を深めるためと説明する。県民と支援者の心を傷つけ、復興に使うべき貴重な時間と労力を抗議や反論のために浪費させて何が議論か。(佐藤 研一)
( 2014/05/14 08:35 カテゴリー:論説 )
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